日本銀行(BOJ)と米国中央銀行(FRB)の金融政策をわかりやすく解説!金利やマネーサプライと株価の関係についてもお伝えする。

金融環境は株式市場の動きを決定する最大のファクターといっても過言ではありません。

今日は日本と米国の中央銀行の金融政策についてわかりやすく書いていきたいと思います。今後の経済の先行きを占う上で、現在の主要中央銀行の立ち位置と方向性について理解することは非常に重要となります。

 

米国の中央銀行であるFRBも日本の中央銀行である日本銀行も基本的には2021年時点では超緩和的な政策をとっています。

しかし、両者のスタンスには違いがあります。本日は元為替トレーダーであり日々、中央銀行の動きを追っていた筆者の目線で解説させていただきたいと思います。

2023年までゼロ金利が見込まれる米国中央銀行FRB

まず米国の中央銀行であるFRBです。米国の中央銀行といえば、もはや世界経済のカギを握るといっても過言ではありません。

FRBの今までの政策と、今後の見通しについて見ていきましょう。

FRBの政策目標「デュアルマンデート」とは?

FRBは二つの目標を置いています。Dual Mandateと呼ばれています。

それは労働市場の安定物価の2%での安定です。

労働市場の安定というのはわかりやすいですね。失業者が発生しない社会を目指すことを目標としているのです。

では、何故物価が2%で上昇している状態は目指すのでしょうか?

インフレが発生している状態というのは需要が供給を上回っている状態であることを意味します。そのため、適切な成長を促すためにインフレ率を2%に設定しているのです。

2%という数字に論拠は特にありませんが、FRBにならって昨今は多くの先進国中央銀行がインフレ率2%を目標として政策を策定しています。

コロナショックまでのFRBの金融政策

FRBはリーマンショック以降落ち込んだ景気を回復するために利下げを行いほぼゼロ水準まで金利を下げていきました。

ゼロ金利にした後に更にに追加でバランスシートの拡大を行っていきました。バランスシートの拡大は非伝統的金融政策といわれるもので、金利を下げる余地がなくなった場合に発動します。

ですので緩和の順序としては、

金利の引き下げバランスシートの拡大

という順番になります。

バランスシートを拡大することにより、株式や債券の資産を購入して資産価格を引き上げたり、金利を低くおさえることで経済に刺激を与えようという苦肉の政策です。

以下は世界の3大主要中央銀行である「FRB」と「ECB」と「日銀」のバランスシートの推移です。リーマンショック以降、3行とも大幅に拡大していることがわかります。

日米欧のバランスシートの拡大

参照:岡三証券

 

リーマンショック後。FRBの努力の効果もあり米国経済が浮揚していきました。

2017年時点で労働市場に関しては引き締まり失業率は3%台に突入するなど、ほぼ完全雇用を成し遂げていると言える状況になりました。

完全雇用というのは、労働したい人が全員労働している状況のことをいいます。

当然転職活動中や病気の人もいるので4%くらいは失業率があっても、それは職がないわけではないよねという考え方です。

 

然し、このような労働の引き締まりが続いているにも関わらず、物価が2%を下回っており、FRBは景気が非常によく過熱気味であるにも関わらず徐々に利上げをしていきました。

それでもコロナショック前では先進国で最高水準の金利を提供していました。

更に米国は他の中央銀行に先駆けてバランスシートの買い戻しを始めており徐々に縮小基調になっていました。

しかし、コロナショックを契機に状況は一変します。

コロナショックで再びゼロ金利政策に回帰

2020年にはいってコロナショックが発生したことでFRBは段階的に引き上げていた金利を一気にゼロ金利にまで引き下げました。

FRBの政策金利の推移

また、同時にバランスシートの拡大も行っています。下記ご覧いただければわかる通り、縮小していたバランスシートは2020年以降バランスシートは急拡大しています。

FEDのバランスシート

 

更に米政府の度重なる景気刺激策によって実際に市場に流通する貨幣の量であるマネーサプライも急上昇しています。

米国のマネーサプライの推移

参照:FRED

 

マネーサプライが上昇するということは、「お金」の価値が減少することを意味するので反対に資産である金や株の価値が上昇していく結果を招きます。

結果としてご存知の通り、コロナショックで暴落した株式市場はV字回復を成し遂げました。以下は米国の代表的な指数であるS&P500指数です。

S&P500指数の株価推移

金利の面でもバランスシートの面でも超緩和策的な政策に回帰したことが読み取れます。また、このゼロ金利政策は2023年までは継続することが見込まれています。

FOMC参加者らの経済見通しでは、失業率とインフレ率が長期的水準に戻るタイミングがいずれも2023年 末となった。パウエル議長は、記者会見において、インフレ率が予測期間内に継続的に2%を達成してはいな い点を突かれ、「インフレの持ち直しには時間がかかる」と答えている。 FOMCの新たなフォワードガイダンスに照らし合わせると、経済見通しでは3つの条件のうち2つが達成され るが、最後の条件(「インフレ率が、しばらくの間、2%を緩やかに上回る軌道に戻る」)は未達になる。こうした 見通しを反映するように、政策金利見通しでは、ほとんどの参加者が2023年末まで政策金利の据え置きを支持した(利上げ派は2022年末で1人、2023年末で4人のみ)

参照:みずほ総研

 

しばらくゼロ金利が継続するという観測がたったことで金融相場が継続されることが想定されます。

何故、金融政策が株価に多大な影響をもたらすのか?

株式市場の動向を見る上で金融環境は非常に重要です。ではなぜ金融政策が株価に影響を与えるのかという点についてお伝えしていきたいと思います。

金利が低いと債券をもつインセンティブが低くなり相対的に株の魅力が高まる

金利が低いということは債券で利益を得ることができないということを意味します。

安全な国債で得られる金利が0.05%であれば、いくら安全とはいえ投資するインセンティブはないですよね。

一方、株式に投資をすれば平均して7%程度のリターンを狙うことができます。当然元本保証ではありませんが、その分高いリターンを狙えるのです。

金利が高くなると無リスクのリターンを狙って債券投資をする方向に働きますが、低金利下ではリスクをとって株式に投資をするインセンティブが投資家の間で上昇するのです。

将来の利益の割引率が小さくなり企業価値が上昇する

企業価値は純資産に加えて、将来の利益を現在の価値に引き戻した割引現在価値の足し合わせで算出されます。

図にすると以下となります。

企業価値の算出方法

金利が低くなると、この割引率が低下します。結果的に将来の利益の現在価値は金利が低下することにより上昇します。

結果的に将来の利益の見通しが同じだったとしても株価は上昇していくことになるのです。

現金の価値が低くなる

企業の価値が高くなるだけでなく、現金の価値が低くなることで相対的に資産の価値が上昇するという状況が発生します。

先ほどお伝えした通り、市中に出回っておるマネーサプライは上昇しています。多いものの価値は減少するので、「お金」の価値は低下します。

 

米国のマネーサプライの推移

参照:FRED

 

市中にあふれた「お金」が資産に向かうことで株や金などの資産が上昇しやすい環境となるのです。

出口の見えない日本銀行の大規模緩和

では次に我らが日銀を見ていきましょう。日銀は久しくゼロ金利政策を継続しています。

米国のように2017年以降利上げをすることはありませんでした。もう一度バランスシートの拡大の過程を見てみましょう!

日米欧のバランスシートの拡大

参照:岡三証券

 

世界の中央銀行のバランスシートの拡大を主導しているのは明らかに日銀ですね!世界におかねをばらまきまくっているのは日銀であるといえます。

現在年間60兆円~80兆円の規模で資産規模を拡大しています。

日銀は金融緩和の以下の3点セットをフルでおこなっています。

金利の引き下げ
バランスシートの拡大
フォワードガイダンス

 

また日銀は世界で類をみない、イールドカーブコントロール型のバランスシート拡大策をとっています。10年債が0%近辺になるようイールドカーブをコントロールしています。

日銀のイールドカーブコントロール

参照:総括的検証

 

その為、いくら購入するとは定めず、大体現状60兆円から80兆円を購入しているという実績になっています。

日銀もインフレ目標を2%としておりますが、日本のインフレ率はECBよりはるかに低い0%近辺なので緩和を解除しようと思っても全くできないのです。ここで緩和解除するとまたデフレに陥ってしまうので、手を拱いているという状況が続いています。

 

当然ですね、日本は企業形態として業績があがってもベースアップを行わないので給与所得の増加を伴ったインフレが発生しにくい構造となっているのです。

ただ最も労働市場が逼迫している日本で、いつまでもそういうわけにもいかないので、徐々に賃金アップを伴うインフレになっていくものと想定されます。

まとめ

現在、FRBも日銀も超緩和的な金融政策を取っていることをお伝えしました。

日本はインフレの兆しが見えず金融緩和の手を緩めることはできず、米国もコロナ長期化に伴って2023年までは最低でもゼロ金利政策を取り続ける姿勢を見せています。

低金利環境は株式市場にとって間違いなく追い風です。金融緩和によって引き起こされるインフレの対策として、株式に投資を行い資産を守りながら育てていきましょう!

→ 日本で想定されるインフレと対策についてわかりやすく徹底解説!インフレヘッジに適しているのは「株式」「金」「不動産」のどれ?

資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

マザーズの小型ベンチャー株に思いっきり資金を投入。一か八か、株価が急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

資産運用の重要性

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てのどういうわけか資産が増えない運用方法はやめましょう。クラシック且つ質実剛健な資産運用を行なっていくべきです。

私も資産運用歴はもうかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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