円高?円安?元為替トレーダーが教える!為替レートの動き・決定要因をわかりやすく解説する。

私は総合商社で、3年間為替部隊で為替ディーリングを行いながら、各国の金融政策やファンダメンタルについて分析をしておりました。

毎朝朝会なるもので自分の考えを述べる為に7時に出社して昨日のNY時間何があったのかを纏め、発表しては先輩や上司から指摘を受けるという日々の連続でした。

今回は私の経験を通じて為替レートがどのように決まるのか?

現在が円安か円高どちらなのかという点で書いていきたいと思います。

為替レートの決まり方

本日2020年2月3日時点のドル/円レートは105円近辺となっています。昨年度の水準から考えたら大分ドル安円高水準ですね。

ではこの為替レートはどうやって決まっているのでしょうか。この105円というのはUSDと円の交換レートなのですが、何を要因として為替レートは日々目まぐるしく動くのでしょうか。

各要因毎に書いて生きたと思います。

為替レートの決定要因①:金利差

為替レートの最大の決定要因となります。金利差をみずに為替取引を行うことはできません。

よくFXを行っている方で、ドル/円が理由もなくがくっと落ちている時にFXのニュース欄で以下のような記載を見ることはないでしょうか?

「米長期金利下落により、ドル/円下落」

実際に日本の10年債金利は0で安定している為、米国10年債金利との金利差がドル/円レートを決定つづける一番の要因となっています。

実際に10年債金利とドルインデックスの連動性は以下の通り高くなっています。ドルインデックスというのはドルの相対的な強さを示す指標です。

金利とドルの強い相関

当然金利が高い方が、その通貨を保有するメリットが高くなります。金利が高い通貨、今後金利が上がっていく通貨が買われていきます。

ここで重要なのは現在の為替レートは既に現在の金利差を織り込んでいるため、(海外ではPriced inと言います)、現在の金利差を元に金利が高い通貨が高い方が買われていくという訳ではありません。

今後の中央銀行の政策が金利を引き上げる公算が高まる時に、その国の国債金利が上昇して、それをみて為替も当該国通貨が買われていくという流れになっていきます。

以下に主要中央銀行(米国FRB、日本の日銀)の金融政策について纏めておりますので参考にしてみて下さい!

日本銀行(BOJ)と米国中央銀行(FRB)の金融政策をわかりやすく解説!金利やマネーサプライと株価の関係についてもお伝えする。

 

現在2021年時点では米国もコロナにより大幅に金利を低下させゼロ金利の状態となっています。2021年2月現在金利差は以前より小さくなっており直近は105円近辺でもみ合っています。

コラム:なぜ賃金が上昇するとインフレが上昇して金利上昇するの?

そんなの知ってるよ!という人は読み飛ばしてください!

賃金が上昇するということは給料が増えるということです!給料が増えたら皆さん何しますか?

いままでかってた、スーパーカップをハーゲンダッツに変えたり、100円の缶コーヒーを2缶に増やしたりと需要が増加します。需要が増加すると、今の価格より高い価格でモノを売ることが出来るので、モノの価格があがります(=インフレ)。

→ ハイパーインフレとは?日本で発生する可能性と対策をわかりやすく解説する!

 

このようにインフレが発生し続けると、モノの価格がどんどん上昇していき、株などの資産価格も過熱気味に上昇していきます。このようなモノ、土地や株などの資産価格のバブルを抑制する為に、中央銀行は経済を冷まさないといけないのです。

その手段として用いられるのが、金利の引き上げです。では金利を引き上げるとなぜ、経済が冷めるのでしょうか。

では簡単な例として2%の金利の時に5%の利益が見込まれる事業があったとしたら、企業や個人は投資するでしょうか?

 

合理的に考えると無リスクで債券に投資をすれば2%の金利を稼ぐことができるので、最低でもこれ以上の利回りが期待できないと投資を行わないでしょう。

今回の5%という水準はリスクもあるので、投資する人もいれば投資しない人もいるという水準でしょう。では金利が5%にあがったらどうでしょうか?

 

債券投資を行うことで無リスクで5%の利益を得ることが出来るので、誰もこの5%のプロジェクトに投資しないでしょう。

このように中央銀行は金利を動かすことにより、経済活動を抑制させたり浮揚させたりとコントロールすることが出来るのです。

コラム:なぜリスク回避の円高が発生するのか?

次のコラムです。これも知ってるよ!っていう人は読み飛ばしてください。

日本円というのは特殊な通貨です。例えば東日本大震災の時は円買が大幅に発生しましたし、北朝鮮が日本にミサイルを発射した際も円高になります。

世界に自国に危機発生時に買われる通貨は日本円以外にありません。

 

これは世界的な危機が発生した場合に、世界最大の対外債権国の日本本国に資金を還流させる動きが発生するのと、それを見込んで投機筋が円買にベットするためにこのような動きが発生します。

東日本大震災の例でいいますと、保険金を支払う為に生保は米国債などの海外資産をうっぱらって、支払いの為の円を作らないといけません。

その為、大量に円買発生するのです。そして、これらの経験で危機発生=円買と投資家の脳裏に焼き付いたことによって、危機発生時並びにリスクセンチメント悪化時に円買の流れとなるという潮流が出来上がってしまいました。

為替レートの決定要因②:通貨ポジション

為替市場の参加者は大きく分けて二つに分かれます。

貿易決済に使用する為に為替取引を行う実需筋と、実需とは関係なくポジションを構築する銀行のトレーダーや為替取引も行っているヘッジファンドなどの投機筋です。

まず実需筋は一回取引を行ったら、反対取引は発生しません。例えば、輸入の決済を行う為にドルを調達しなければいけない輸入企業の場合、ドル買円売(つまりドル/円の買)を行って、ドルを調達して調達したドルを決済に使います。

 

然し投機筋はわけが違います。投機筋は今後ドル/円が上昇すると思って購入した場合、いつか上昇した時に利益確定又は、下がった時に損失確定の為の取引を行わないといけません。つまりいつかは反対取引を行わないといけないのです。

更に重要なことは、この投機筋が為替市場に占めるシェアは90%に上るということです。

ということは投機筋の買ポジションが溜まっている通貨は、今後買う余力が少なく上昇しにくいだけでなく、何か悪いニュースがでたら買ポジション取り崩しのため大きな売が発生するということになります。

 

そして、この為替ポジションはシカゴの先物取引所が一週間ごとに公開しており個人でも簡単に情報取得をすることが出来ます。以下フィリップス証券のページが分かり易いので参考にしてみて下さい。(参照:IMM Position)

ドル円の投機ポジション

 

図は各主要通貨がドルに対して、どれだけ買い越しているか売り越しているかを示しています。上の図はUSDJPYに関して、長期のポジションの推移を示しています。

これを見て頂けると、直近ドル/円は110円アッパーから106円台まで大きく下落していますが、現在は若干円買いのポジションが溜まっていることが分かります。

この投機筋のポジションを把握しておくことは、為替取引を行う上でとても重要なポイントとなります。溜まっている方向とは逆に動きやすいのです。

為替レートの決定要因②:経常収支

上記の二つより、長期的な要因になるのですが、経常収支が長期の為替には大きく影響しています。

そもそも皆さん、国力の差が広がり続けているにも関わらず、なぜUSDJPY Rateは下落つまり円高圧力が常にあるのか疑問に思われたことはないでしょうか。これは経常収支で説明がつきます。

そもそも経常収支って?と思われた方もいらっしゃると思います。

経常収支は簡単にいうと、その国がおくらお金を稼いだかということで以下の構成要素で構成されます。

貿易収支:輸出ー輸入で算出されます
所得収支:投資している債券や株からの配当金等
サービス収支:旅行客からの収入等

 

日本の経常収支の推移

 

上記を見て頂くと、最近は貿易収支は0近辺ですが、いままで稼いだ金を海外に投資していった結果海外からの利子・配当収入が増えて経常収支がプラス圏を維持し続けています。

経常収支がプラスであるということは、例えばドルやユーロでの配当金や利子、貿易黒字分を自国に引き戻す際に、ドルやユーロを売って、円を買う取引が発生します。

つまり稼いだ外貨を本国に還流させる場合に、自国通貨買が発生するのです。

日本は常に経常収支国であり続けているので、円高圧力がかかりやすく、米国は常に経常赤字国なので米ドル安圧力がかかりやすいという構造となっているのです。

為替レートの決定要因④:各通貨毎の要因

大きな為替レート決定要因は①~③なのですが、各通貨ごとにそれぞれ重要な要因がことなります。

例えば、豪ドルの鉄鉱石価格、中国の指標、カナダドルやロシアルーブルの原油、ニュージーランドドルのミルクのオークション価格などなどです。

これについては、べっと通貨特集を組んで説明します。

現在は円安?円高?

現在2021年7月時点でのドル/円レートは円高というよりドル安です。

これはコロナショックによって米国の通貨流通量は急激に上昇しています。通貨流通量を表すマネーサプライは以下のように急騰しています。

 

米国のマネーサプライ

 

流通しているものが多くなると、当然価値は大きく減少します。実際に2020年以降のドルの価値であるドルインデックスは以下の通り減少の一途をたどっています。

 

2020年にはいってからのドルインデックスの低下

今後、バイデン政権になって追加の景気刺激策がでることで更にマネーサプライが上昇することで更にドルインデックスが減少してくことが想定されます。しばらくドル安の傾向は継続していくと推測されます。

個人で為替取引を行うのは難しい

為替ディーラーをやっていて分かったことは個人は圧倒的に銀行のディーラーに比べて情報不足です。

投機筋に比べて資金不足である為、ゼロサムゲームの為替市場においては最も不利で立場の弱い主体であるということが分かりました。

 

【外国為替証拠金取引】FXは資産運用に適しているのかを考察!為替で儲けることは可能か?人気のキャリートレードとその欠点

 

管理人的には個人での為替取引は長期的な目線で通貨分散を行うのにとどめた方がよいと考えています。

資産を殖やす目的で資産運用を行うのであれば、やはり王道の株式市場をおすすめします。

資産を飛躍的に増やす方法は明確に決まっている

資産を大きく増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

マザーズの小型ベンチャー株に思いっきり資金を投入。一か八か、株価が急騰を願ったり、信用取引でレバレッジを思いっきりかけてみるのも良さそうです。仮想通貨の草コインも人生一発逆転があるかもしれません。

断言します。上記のような思考の方は一生資産が増えません。そもそも一発の取引で大儲けを狙えるというのは、同じく容易に資金を溶かす可能性も高いということです。そんなものは投資とは言えません。投機と考えても質が低いです。もう少し丁寧に資産の扱い(延いては人生)を考えてみましょう。思考をガラリと変えてみましょう。

 

大事なのは「リターンが小さくても確実にプラスを、時間をかけて積み重ねていく(複利を生かす)」ことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏も投資で最も大切なのは以下の2つのルールとしています。

 

  1. 絶対にお金を損しないこと。
  2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

資産運用の重要性

この「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねていく(複利を生かす)」という重要性を理解したところで資産運用は始まります。好きな企業の株、高配当・優待目当てのどういうわけか資産が増えない運用方法はやめましょう。クラシック且つ質実剛健な資産運用を行なっていくべきです。

私も資産運用歴はもうかなり長いです。そしてこの思考に辿り着き、プラスリターン×複利運用を実施してからの資産増加スピードは圧巻でした。この哲学を実践している、私のポートフォリオに入っているファンドも今回まとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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